モーショングラフィックス動画を伝わる動画にするには?制作前に決めるべきポイント

「モーショングラフィックス動画を作りたいが、どのように企画すればよいかわからない」「サービスの特徴が多く、何を優先して伝えるべきか整理できていない」「制作会社に依頼する前に、社内で整理すべき情報を把握したい」

モーショングラフィックス動画を検討する際によく聞くお悩みです。

モーショングラフィックス動画は、BtoBの商談やLPにおいて抽象的なサービスや複雑な仕組みを視覚的に伝えやすいツールです。

だからこそ、「何を、どの順番で、どのように見せるか」の設計がより重要になります。情報を詰め込みすぎると、見た目はきれいでも内容が伝わりにくい動画になってしまいます。

本記事では、モーショングラフィックス動画制作のポイントとして、伝わる動画にするための企画・構成・デザイン・発注準備の考え方を整理します。

目次

結論ショートQ&A:モーショングラフィックス動画制作の基本

どんな商材に向いていますか?

SaaSやITサービス、コンサルティングなど、仕組みや価値の説明が必要な無形商材に向いています。実写では表現しにくい機能や業務フローを、図解や動きで整理して伝えられます。

制作で最初に決めるべきことは何ですか?

目的、ターゲット、視聴後に理解してほしい内容、活用場所の4点です。ここが曖昧なまま制作を進めると、制作が滞りやすいです。

失敗しやすいポイントは何ですか?

動画の尺と伝える情報量のバランスを整えることです。例えば30秒の動画を制作する際には、一度仮のナレーション原稿を作成して音読してみるとどの程度の情報を動画に盛り込むことができるのかを想定することができます。

発注前に何を準備すべきですか?

目的やターゲットの整理に加え、サービス資料や営業資料などの元情報、参考動画、社内確認フローを準備します。先に揃えておくと、見積や企画提案の精度が上がります。

モーショングラフィックス動画とは?

モーショングラフィックス動画とは、図形・文字・イラスト・アイコンなどに動きを加え、情報をわかりやすく整理して伝える動画です。実写だけでは見せにくい仕組みや流れ、抽象的な概念を視覚化できる点が特徴です。

具体的には、サービス紹介、業務フロー、機能説明、抽象概念の理解促進などに向いています。以下の表で、向いている用途と向いていない用途を整理します。

用途向き・不向き理由
サービス紹介向いている無形商材の仕組みを視覚化できるため
機能説明向いている画面UIやアイコンの動きと組み合わせて解説できるため
業務フロー説明向いている複雑な手順を図解でシンプルに整理できるため
抽象概念の説明向いている目に見えない概念を図形やイラストで表現できるため
採用ブランディングやや不向き企業の雰囲気や社員の熱量を伝えるには実写の方が向いているため
リアルな人柄訴求不向き社員の表情や声のトーンを伝えにくいため
※向き・不向きは目安です。企画内容によって適した表現は変わります。

情報整理が必要なBtoB商材では、モーショングラフィックス動画との相性が良いケースが多くあります。ただし、人物の熱量や現場の空気感を伝えたい場合は、実写との使い分けも検討した方がよいです。

モーショングラフィックス動画制作で最初に決めるべきこと

モーショングラフィックス動画では、制作に入る前の要件整理が重要です。最低限、以下の4点は先に決めておくと進行がスムーズになります。

目的を決める

まずは、動画の目的を決めましょう。認知拡大、リード獲得、商談での理解促進など、目的によって構成や見せ方が変わるためです。

例えば、リード獲得が目的であれば、視聴者が持っているであろう課題に共感してもらい、資料請求や問い合わせにつなげる構成が考えられます。目的が曖昧なままだと、全体のメッセージも曖昧になります。

ターゲットを決める

誰に向けた動画なのかを明確にします。役職、部署、抱えている課題、業務上の関心ごとまで具体的に整理すると、ターゲットの心情をより理解しやすくなり、どの用表現や情報が最適なのかが判断できるようになります。

視聴後に理解してほしい内容を絞る

動画を見た後に、視聴者に何を理解してほしいのかを決めます。あれもこれも入れるのではなく、まずは最も伝えたいことを1つに絞ります。

例えば「このツールを導入すれば、毎月の集計作業を自動化できる」のように、視聴後に残したい認識を明確にします。細かい機能説明は、LPや営業資料で補完する設計にすると、動画の役割がはっきりします。

活用場所を決める

動画をどこで使うのかも先に決めておきます。LP、展示会、SNS、営業資料など、活用場所によって適した尺や画面比率、テロップの大きさが変わります。

例えば、展示会用であれば音声なしでも伝わるようにテロップを大きめに設計します。SNS用であれば、最初の数秒で興味を引く構成が必要です。活用場所から逆算して企画を立てると、後からの作り直しを減らせます。

伝わる構成にするポイント

モーショングラフィックス動画は、デザインや動きだけでなく、構成の整理が大切です。ここでは、伝わる構成にするためのポイントを紹介します。

課題→解決策→メリットの順で整理する

BtoBのサービス紹介動画では、「課題→解決策→メリット」の流れが王道です。
視聴者が一度自分の課題を認識することができるため、その後に続く情報を飲み込みやすい状態になります。

最初に「どのような課題があるのか」を提示し、その課題に対して自社サービスがどう役立つのかを見る。そのうえで、業務効率化、コスト削減、品質向上などのメリットにつなげることで、自社のサービス/プロダクトの価値を最大限伝えることができます。

1動画1メッセージに絞る

1本の動画で伝えるメインメッセージは、できるだけ1つに絞ります。複数の強みを同じ温度で並べると、結局何を伝えたい動画なのかが曖昧になります。

機能が多いサービスでも、ターゲットに最も刺さる「コアバリュー」に焦点を当てることが重要です。その他の詳細は、営業資料やLP、あるいは別の動画で補完する前提にすると、伝わりやすい動画になります。

専門用語は図解とナレーションで補足する

業界特有の専門用語は、初見の視聴者には伝わりにくいことがあります。文字で説明するだけでなく、図解やナレーションで補足すると理解しやすくなります。

情報量を増やしすぎない

画面内の情報量は、できるだけ絞ります。人が一度に処理できる情報には限りがあり、文字や図形が多すぎると内容を追いにくくなります。

目安として、1画面の文字は2〜3行程度に抑えます。余白を残し、視線の流れを作ることで、内容が伝わりやすくなります。

デザイン・テイストを決めるポイント

デザインの方向性は、動画の印象を大きく左右します。ここでは、テイストを決めるときに見ておきたい観点を整理します。

ブランドトーンと合わせる

企業のコーポレートカラーや、サービスロゴのトーン&マナーに合わせるというのが最適です。Webサイトや営業資料と動画の印象が大きくズレると、視聴者に違和感を与えやすくなります。

制作会社には、ブランドガイドライン、ロゴデータ、使用可能なカラー、フォントのルールなどを共有しておくと、スムーズな制作が可能です。

視聴者のリテラシーに合わせる

ターゲットのリテラシーや業界知識に合わせて、デザインの抽象度を調整することも重要です。

専門家向けであれば、抽象的でスタイリッシュな表現でも成立することがあります。一方で、初めてサービスに触れる人向けであれば、具体的なイラストやわかりやすいアイコンを使った方が伝わりやすくなります。

先進性・親しみやすさ・信頼感のどれを優先するか決める

動画で与えたい印象を先に決めましょう。先進性、親しみやすさ、信頼感などのどれを優先するかによって、色使い、図形の形、アニメーションのスピードが変わります。

例えば、金融や医療領域であれば「信頼感」を重視して落ち着いたトーンにする。SaaSや新規サービスであれば「先進性」を重視してテンポの良い動きを取り入れる。こうした判断を早い段階で決めておくと、デザインの方向性が固まりやすくなります。

参考動画を3本以内に絞る

参考動画を用意する場合は、3本以内に絞ると方向性を整理しやすくなります。数が多すぎると「色はこの動画、動きはこの動画、構成は別の動画」となり、全体の判断が難しくなります。

「この動画の色使いが良い」「この動画の動きのテンポが近い」など、参考にしたいポイントを明確にして制作会社に共有すると、認識のズレを防ぎやすくなります。

用途別に気をつけるポイント

動画は、どこで使うかによって最適な仕様が変わります。用途別の制作ポイントを以下の表にまとめました。

用途構成のポイント
LP掲載用冒頭で何のサービスかを示し、ページ内のCV導線につなげる
展示会用音声なしでも伝わるように、テロップと視覚的な動きを強める
営業資料用商談時の説明補助として、課題・解決策・導入メリットを論理的に整理する
SNS広告用スクロールを止めるため、冒頭で課題やベネフィットを見せる
ウェビナー冒頭本編への期待感を高めるため、テーマやアジェンダをテンポ良く見せる
※尺や構成は目安です。配信媒体や視聴環境によって調整が必要です。

展示会やSNS広告など、視聴環境が大きく異なる場所で同じ動画をそのまま使うと、伝わりにくくなることがあります。用途に合わせて尺・字幕・画面比率を調整することが大切です。

制作会社に依頼する前のチェックリスト

制作会社に問い合わせる前に、社内で整理しておくとよい項目をまとめました。すべて完璧に決まっている必要はありませんが、ある程度整理できていると、見積や企画提案の精度が上がりやすくなります。

確認項目チェック内容
目的動画の目的は1つ(少数)に絞れているか
ターゲット誰に向けた動画か明確になっているか
視聴後の行動視聴後に何を理解してほしいか、どんな行動を取ってほしいか整理できているか
素材サービス資料、営業資料、画面キャプチャ、ロゴデータなどの元情報があるか
参考動画希望するテイストの参考動画を用意しているか
ブランドブランドカラーやトーンを共有できるか
活用場所公開場所と画面比率(16:9/9:16など)が決まっているか
社内確認者社内確認フローと最終承認者が決まっているか
※制作会社に共有する依頼メモとしても活用できます。

特に「社内確認フロー」は後回しになりがちです。修正時に社内意見が割れるとスケジュールが遅れやすいため、誰が確認し、誰が最終判断するのかを事前に決めておくと安心です。

よくある失敗と回避策

最後に、モーショングラフィックス動画制作で起こりやすい失敗と、その回避策を整理します。

情報を詰め込みすぎる

「せっかく作るなら」と、機能や特徴をすべて盛り込もうとしてしまうパターンです。結果として、視聴者が何を覚えればよいのかわからなくなります。

回避策として、動画の役割を明確にします。興味喚起が目的なら、詳細説明はLPや資料に譲る。商談で使うなら、営業担当の説明を補助する内容に絞る。このように役割を分けると、情報量を整理しやすくなります。

動きだけ派手で内容が伝わらない

「かっこいい動画」に寄せすぎて、エフェクトや速いトランジションが増え、テキストが読めなくなるケースです。

回避策として、デザインよりも先に「情報の伝わりやすさ」を確認します。視聴者が文字を読む時間、図解を理解する時間を確保したうえで、動きのテンポを調整します。

ターゲットが曖昧

「誰にでも伝わるように」と広げすぎた結果、誰に向けたメッセージなのかが曖昧になるパターンです。

回避策として、ペルソナを具体的に設定します。その人が日常業務で感じている課題や、社内で求められている成果を冒頭で示すと、自分ごととして見てもらいやすくなります。

修正時に社内意見が割れる

初稿が上がってきた段階で、上司や他部署から「やっぱりこうしたい」と大きな修正が入るケースです。動画化された後の大幅な変更は、追加費用やスケジュール遅延につながりやすくなります。

回避策として、絵コンテやデザインサンプルの段階で最終承認者まで確認しておきます。動画になってから判断するのではなく、静止画の段階で方向性を固めることが大切です。

まとめ:モーショングラフィックス動画制作のポイントを押さえて伝わる動画を実現する

モーショングラフィックス動画は、複雑なBtoB商材の魅力をわかりやすく伝えられる表現です。一方で、目的やターゲット、情報量、用途の設計が曖昧なままだと、見た目はきれいでも伝わりにくい動画になってしまいます。

制作前に「何を伝えるのか」「誰に向けるのか」「どこで使うのか」を整理しておくことで、構成やデザインの判断がしやすくなります。モーショングラフィックス動画の企画や構成で悩んでいる場合は、その段階から相談できます。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役 / 動画制作プロデューサー】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。

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