顧客インタビュー動画は、BtoBマーケティング、特に比較検討フェーズにおいて大きな効果を発揮するツールですが、制作会社に問合せたら見積がバラバラで困った。顧客に出演依頼するのが難しい——など、意外と制作のハードルが高い動画です。
本記事では、相場レンジ、見積の揃え方、追加費用の出やすいポイント、稟議を通す説明テンプレまで、実務で使える形に整理します。
結論ショートQ&A:顧客インタビュー動画の「まず知るべきこと」
- 相場はどのくらいですか?
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目安は「30〜50万円(ライト)」「60〜100万円(標準)」「120〜200万円(プレミアム)」です。納期は企画〜納品まで6〜8週間を見込むと設計しやすいです。
- 30万円と100万円の差は何ですか?
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差が出やすいのは、企画の深さ、撮影体制(カメラ数・音声/照明スタッフ)、編集工数(テロップ量・カット数)、追加納品(短尺・縦型)です。比較する際は「含まれる範囲」を同条件で揃えることが前提になります。
- 顧客への出演依頼はどう進めればいいですか?
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成功率を上げるには「事前質問票(台本レベルの叩き)」「撮影拘束の目安(30〜60分)」「発言確認と許諾の流れ」をセットで提示します。営業担当経由で打診し、顧客側のメリット(業界内でのPR、採用・広報素材としての活用)も一緒に伝えると前に進みやすいです。
- 字幕は全編必須ですか?
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LP埋め込みやSNSでの展開を想定するなら、全編字幕まで入れておく方が運用しやすいです。要点字幕でも成立しますが、視聴環境(無音再生)を考えると、後から追加するより最初に決めた方が手戻りが少なくなります。
- 短尺/縦型は最初から作るべきですか?
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派生版(15〜30秒/縦型)を同時設計すると、トータル費用は抑えやすいです。後から追加すると、再編集で5〜20万円程度の追加が発生することが多いです。
相場レンジ早見(価格帯別に「できること」)
| 価格帯(税別) | 想定尺 | 撮影日数 | 納品物(例) |
|---|---|---|---|
| 30〜50万円(ライト) | 1〜2分 | 半日〜1日 | 本編1本(フルHD)、簡易テロップ |
| 60〜100万円(標準) | 2〜3分 | 1日 | 本編1本、短尺(30秒)1本、全編字幕、BGM、カラー補正 |
| 120〜200万円(拡張) | 3〜5分+派生 | 1〜2日(ロケ含む) | 本編1本、短尺複数、縦型、インサート取材、複数拠点撮影 |
※金額は税別、期間・撮影日数・納品物は目安です。案件要件により上下します。
価格帯ごとの中身(ライト/標準/拡張)
30〜50万円(ライト)
予算が小さいほど「効率重視」になります。企画はテンプレ寄り、撮影は1カメ〜2カメで短時間収録、編集はカット編集+最低限のテロップが中心です。展示会のループ用や、LPに最低限の事例を置きたいケースに向きます。
60〜100万円(標準)
もっとも発注が多いレンジです。企画・質問設計込みで進め、ワンデー撮影で2〜3カメ(インタビュー+インサート)、全編字幕や30秒短尺を含むケースが多いです。営業資料やLP、商談時の説得力を上げたい場合のバランス型です。
120〜200万円(拡張)
撮影拠点が複数、演出が増える、または派生版をまとめて作る場合はこの帯になります。意思決定層向けの訴求や、社外イベントでの大画面投影まで想定するケースに向いています。
費用内訳の読み方(見積の費目を分解)
「見積の行が分からない」という相談はよくあります。ここでは主要な費目を分解します。
企画・質問設計・進行
目安として、企画は5〜20万円、質問設計や台本作成は10〜30万円が相場感です。進行(ロケハン、スケジュール調整、出演者への説明)は5〜10万円/日で計上されることが多いです。あくまでも目安で、制作する動画の内容に応じて変動します。
撮影(体制・機材)
撮影は「人件費+機材費+交通宿泊」で構成されます。目安として、カメラマン5〜8万円/日、音声オペレーター3〜5万円/日、照明3〜5万円/日です。2カメ体制になると合計で10〜20万円/日相当になるイメージです。
編集(テロップ/MA/BGM)
編集は工数で決まります。簡易編集で10〜30万円、演出をしっかり入れると40万円以上になることもあります。BGM使用料やライセンス、MA(音を聞きやすく整える作業)は別途5〜15万円で計上されるケースが多いです。
| 費用内訳サンプル | 80万円モデル(標準) | 120万円モデル(拡張) |
|---|---|---|
| 企画・設計・進行 | 15万円 | 25万円 |
| ディレクション | 15万円 | |
| 撮影(1日、2カメ) | 30万円(照明・音声・機材など含む) | 65万円(ロケ+複数拠点) |
| 編集(本編・短尺) | 15万円(簡易テロップ含) | 20万円(短尺複数・縦型含) |
| その他(BGM・納品) | 5万円 | 10万円 |
| 合計(税別) | 80万円 | 120万円 |
※サンプルは一例です。見積比較では「項目名」と「含む範囲」を揃えてください。
見積がブレる要因(費用差の正体)
撮影日数・ロケ
撮影日数が増えると、人件と機材で一気に上振れします。ロケが入ると機材運搬や許可、複数拠点の移動が発生します。
尺・納品本数(短尺/縦型)
尺が伸びると編集工数が増えます。短尺や縦型の追加は「再編集だけで済む場合」と「再構成が必要な場合」があり、ここで費用差が出ます。用途(LP/展示会/SNS)を先に決めるほど、無駄な追加を避けやすいです。
字幕(要点/全編)
字幕が要点のみか全編かで工数が変わります。全編字幕は文字起こし→校正→タイミング調整が必要で、2〜5万円が相場感です。
許諾・機密対応(ぼかし等)
社名非公開や撮影素材の機密処理(画面ぼかし・社内会議の音声処理)は別工数です。法務・広報と調整する時間も見積に織り込んでおくと、後で揉めにくいです。
修正回数・確認体制
修正回数が増えるほど費用が増えます。標準は「初稿→2回修正」までを含めるケースが多いです。超過は1回あたり2〜5万円の追加が一般的です。
追加費用が出やすい項目と回避策
| 追加費用が出やすい項目 | 目安額 | 回避策(発注時に揃える条件) |
|---|---|---|
| 縦型(9:16) | 5〜20万円 | 撮影段階で縦画角も確保し、同時編集を前提にする |
| 全編字幕 | 2〜5万円 | 文字起こしの元データを用意し、確認者を絞る |
| ロケ追加 | 10〜50万円 | 事前ロケハンで必要性を確定し、集合ロケで効率化する |
| 修正超過 | 2〜5万円/回 | 確認フローを先に決め、フィードバックは一括で出す |
| 二次利用(商用素材・海外使用) | 0〜50万円 | 初回見積で使用範囲を明記し、ライセンス条件を固定する |
※目安額は税別です。追加を避けるには「見積に含む/含まない」の基準を明確にしておくことが前提になります。
費用対効果を上げる再利用設計(1本で終わらせない)
- LP埋め込み用:長尺本編
- SNS用:15〜30秒の短尺(縦型含む)
- 営業資料:静止画キャプチャ+要点テキスト
再利用を前提にするなら、撮影時に複数アングルを確保し、テロップのトーンを揃え、納品フォーマットを最初から指定するのが現実的です。後から追加するより、最初にまとめた方が工数が読めます。

発注前チェックリスト(稟議と見積精度を上げる)
- 目的・用途:商談・LP・展示会のどれを主に狙うか
- ターゲット:意思決定者の属性(職種・業界)
- 出演顧客:社名公開の可否、担当者の役職、撮影可否
- 許諾:NDAの要否、発言確認の手順
- 納品形式:尺・縦型・短尺・字幕の有無
- 確認体制:レビュー担当者と最終承認者、確認に使える日数
- 二次利用:SNS・広告・海外配信の範囲
目的・用途が決まると、優先順位が決まります。出演可否の確認は早めに着手してください。許諾と確認フローは、後から揉めやすいので先に線を引いておくのが安全です。
制作会社の選び方(BtoB事例の進行力で見る)
価格だけで選ぶと、進行で詰まりやすいです。BtoBの事例動画は、顧客(他社)を巻き込むプロジェクトなので「質問設計」「許諾・機密対応」「進行力」を見てください。
- 質問設計:決裁者の疑問に応える設問を作れるか
- 進行力:出演者への説明、スケジュール調整が丁寧か
- 許諾対応:NDAや二次利用ライセンスを明確に提示できるか
- 過去事例:同業界の事例があり、再現性を説明できるか
見積を取る際は「含む/含まない」を明文化し、比較軸を固定して並べると判断が楽になります。稟議の説明も同じ資料で通せるようになります。
稟議用の説明テンプレ(内訳+再利用計画+期待効果)
以下は稟議に使えるテンプレ例です。社内決裁者が判断しやすいよう、内訳と再利用計画をセットにします。数値は「目標例」として調整してください。
- 件名:顧客インタビュー動画(LP・商談資料用)制作の件
- 目的:商談化率(MQL→SQL)の改善、LPのCVR改善を目標とする
- 内訳(見積例):企画15万円/撮影30万円(1日、2カメ)/編集20万円/合計:65万円(税別)
- 再利用計画:長尺1本→LP埋込、短尺3本(30秒)→SNS広告、縦型1本→展示会用ループ、社内営業用スライドへ静止画流用
- 期待効果:検討期間短縮、提案説明の平均工数削減(営業1回あたりの説明時間を短縮し、年間工数の削減を見込む)
- 稟議は「内訳の妥当性」と「使い回しの設計」が説明できると通りやすいです。まずは“何をどこで使うか”を先に固めてください。
まとめ:顧客インタビュー動画でCVR・商談化を実現する
見積の差は「含まれている範囲」を揃えるだけで、だいぶ整理できます。発注前に、用途・出演可否・納品フォーマット・確認体制を明確にしておくと、追加費用や稟議の手戻りを抑えられます。
もし「どの価格帯が自社に合うのか」「顧客への依頼文をどう作るか」「見積をどう揃えるか」で詰まっているなら、その段階から相談可能です。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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顧客インタビュー動画の事例を確認したい方はこちらの記事もご参考ください。

