新卒採用で活用されることが多いのが、社員の本音を伝えやすい「インタビュー動画」。制作費を抑えつつ、先輩社員のリアルな声を学生に届けられるのが強みです。
本記事では、数多くの制作を手がけてきた筆者が、よくある失敗とその対策、成果につながる構成づくりのコツを実務目線で解説します。
インタビュー動画のメリット
インタビュー動画は、比較的シンプルな撮影・編集工程で制作可能なため、他の動画と比べて制作費を抑えやすいという特徴があります。
大きくは下記の3つです。
- 比較的安価な制作費
- 高い汎用性
- 高い説得力と信頼感の醸成
1つずつ解説します。
1. 比較的安価な制作費
インタビュー動画は、特別なセットや高価なCGなどを必要とせず、カメラとマイクさえあれば撮影できること、また編集も比較的シンプルであることから制作費を抑えての制作も可能です。
一方で、「話す人とその内容」がメインコンテンツであることから、「話してほしいことを話してもらう」「本人の語彙と間(ま)が伝わる」ためにはしっかりと準備をする必要があります。クオリティと費用が比例するというのは他の動画と同様であるため、その点には注意が必要です。
2. 高い汎用性
採用向けの従業員のインタビュー動画の場合、新卒採用向けの説明会で使うこともできれば、中途採用向けに求職者へ送るメールに添付するなどの活用も可能です。YouTubeなどの配信サービスが安価に活用できること、また、データ容量もそこまで大きくないため、合同説明会などでも気軽に活用することが可能です。
3. 高い説得力と信頼感の醸成
インタビュー動画の最大の特長は「その人本人の口から語られる」ことによる説得力・信頼感だと言えます。テキストや画像などの静的なコンテンツでもインタビュー記事などはありますが、説得力・信頼感という意味では動画の方が圧倒的に高いです。
一方で、「高い説得力・信頼感」を醸成するためには「その人が自分の言葉で自然に語っている」ことが重要で、その語りを引き出すためには周到な準備が必要です。次の章ではインタビュー動画の制作のポイントを解説します。
新卒採用向けインタビュー動画の制作で、よくある失敗例

これまで、数多くの新卒採用向けのインタビュー動画の制作に携わってきましたが、その経験や、改めてたくさんのインタビュー動画を視聴して気付いた失敗例・気をつけるべきポイントをまとめました。
- 台本を丸暗記してしまう
- カンペを読んでしまう
- ロケハン(撮影場所の下見)不足
台本を丸暗記してしまう
インタビュー動画をみていて、一番良くないのが「丸暗記した台本をただ読んでしまう」というインタビューです。
インタビュー動画の良さである「その人の言葉を、その人の口で語ることによる説得力」が完全に消失してしまいます。そして逆に「言わされている」という印象を視聴者に与えてしまい、「本当は違うのかな…」という疑念にも繋がりかねません。
筆者が制作に関わる場合には必ずお伝えしていることですが、よっぽど上手くできる人でない限り、あるいは自然に受け答えができるまで練習するなどではない限りは、インタビュイー(インタビューを受ける人)には台本を渡さない・作らせないということを徹底するべきです。
カンペを読んでしまう
これも、「台本丸暗記」と同様に「言わされ感」がどうしてもでてしまいます。インタビュイーの目線が不自然になってしまったり、受け答えの違和感も生じてしまいます。
繰り返しになりますが、インタビュー動画の良さは「その人の言葉を、その人の口で語ることによる説得力」です。
話してほしいことを、作り手の意図どおりに話してもらいたいのであれば動画ではなく、テキストなどの静的なコンテンツを用意するべきです。
ロケハン(撮影場所の下見)不足
これは前述しているポイントとは異なり、制作時の失敗ポイントとしてよくあるのですが、制作費の兼ね合いもありロケハン(撮影場所の下見)ができていない、あるいは下見したものの周辺環境まで気を配れていないということがあります。
新卒採用向けのインタビュー動画の場合、撮影場所は発注側企業のオフィスとなることがほとんどで、発注側としては「よく知っている場所」での撮影となるため不要だと考えがちです。
結果的に、撮影する段階になって
・撮影場所が暗い
・隣の部屋や、上下階からの音が入ってしまう
・機材の持ち運びに苦労する
・広さが足りない
などの問題が発生してしまうことがあります。
良いインタビュー動画を、スムーズに制作するためのポイント

インタビュー動画は、他の動画のようにお金をかければそれだけ見た目としては重厚感やリッチさを演出することが可能ですが、一方でインタビュイーの語り口次第で視聴者の印象が大きく変わってしまいます。
ここでは、如何にしてその「語り口」による視聴者の印象・動画のクオリティを担保していくかについて解説します。
話すことが好きな人・上手な人を選ぶ
繰り返しになりますが、インタビュー動画はインタビュイーの語り口がクオリティを大きく左右します。
インタビュイーを選定する上では「活躍している人」「爽やかな印象の見た目」など採用目線での選定も重要ですが、それと同じくらい・もしくはそれ以上に「カメラ前で上手に話すことができるか?」ということも重要です。
事前インタビューの実施
撮影時にどんな話を聞くことができそうか、事前に確認するために「事前インタビュー」を行いましょう。これは制作側がある程度インタビューで聞ける内容を把握する意味もありますが、話す方にもその準備をしてもらうという意味が大きいです。
カメラの前で自然に話すというのは思ったよりも難しく、緊張してしまいます。そのため、撮影時に少しでもリラックスして話せるように準備しすぎない程度の準備として、事前にインタビューを実施しておくことを強くおすすめしています。
詳細なインタビューシートを用意する
インタビューシートというのは、単純に聞きたい項目を並べただけのものではなく、聞きたい項目にたいして、答えてほしい内容まで細かく書いたものです。ある程度妄想でも問題ないので、「どんなことを話してほしいか」を一言一句もらさずに記載するようにしましょう。
注意していただきたいのは、このインタビューシートはインタビュイー(インタビューを受ける人)に見せるものではなく、あくまでもインタビューする側・制作側が「どんなことを話してほしいか」を把握した上でインタビュー撮影に臨むためのものです。
インタビューはナマモノなので、現場で質問しながら「話してほしいこと、それに類することが撮影できたか」をチェックしながらスムーズに撮影を進める必要があります。
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最後に
冒頭でもお伝えしたとおり、新卒採用向けの動画コンテンツとして、インタビュー動画はよく制作・活用されており、採用プロモーションとの親和性が高い動画コンテンツです。
また、比較的シンプルで、制作コストを抑えやすい点もインタビュー動画の特徴です。
だからこそ、防ぐことのできる失敗はできるだけ避けて、より良い動画にするためのポイントを抑えることができれば、それだけでクオリティの高い動画をスムーズに制作することができます。
採用向けのインタビュー動画制作をご検討の際にはぜひ、弊社へお声がけください。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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