会社紹介動画は100万円で作れる?相場・できること/できないことを実務で解説

会社紹介動画を作りたいけれど、予算100万円くらいだと「クオリティが低いものになるのでは…」と不安に思われる方もいるのではないでしょうか。

動画制作を外注する機会が少ないと、相場感もわからず100万円という予算が高いのか低いのかもわからないですよね。

本記事では税別100万円前後(条件により95〜135万円程度)で制作可能なの会社紹介動画の事例や制作条件について解説します。

この記事では、会社紹介動画を100万円前後で制作する場合に、次のことがわかるように整理します。

  • 100万円で作れる動画の仕様の目安
  • 予算内でできること/できないことの線引き
  • 失敗しないための制作ポイント発注前チェック
目次

会社紹介動画100万円の相場|尺・撮影日数・納期の目安

会社紹介動画の費用は、企画・撮影・編集の工数、撮影規模、演出の複雑さによって大きく変わります。100万円は、採用・営業・広報といった用途で十分に「使える」動画を作りやすい予算帯です。ただし、要望を広げすぎると成立しにくくなるため、最初にある程度の条件を絞っておくが重要です。

100万円前後で制作する場合の、標準的な仕様の目安は以下の通りです。

項目仕様(目安)
動画尺3〜10分(標準)
撮影日数1〜2日
撮影拠点1-2拠点(本社など)
構成ナレーションでの説明+職場風景、グラフィック・テロップ・BGM・効果音
修正回数2〜3回程度(範囲は要確認)
納期6〜8週間

※上記は目安です。企画内容や撮影条件により変動します。

100万円の会社紹介動画の具体的な事例

ここでは筆者がYoutubeで見つけた会社紹介動画の中で「100万円前後で成立しやすい事例」を紹介します。自社の目的に近いものがあるか、イメージの確認に使ってください。

※100万円前後というのはあくまでも筆者の経験に基づく主観的な情報であり、下記の動画がどれくらいの費用で制作されたかを保証するものではありません。

事例1:採用向け会社紹介動画(5~6分)

事例2:営業向け会社紹介動画(約3分)

事例3:コーポレート向け会社紹介動画(7分半)

会社紹介動画100万円でできること・できないこと

できること

  • インタビュー中心の構成:社員や経営層の声を軸にした構成は、100万円前後でも成立しやすい構成です。テキストでは伝わりにくい「雰囲気」や「社風」などの非言語情報を伝えることができます。。
  • 1〜2日の撮影(1拠点):本社など1-2拠点に撮影を集約できれば、撮影日数を抑えつつ必要な素材を集めやすくなります。拠点が遠方になる場合には別途交通宿泊費などが発生する可能性があります。
  • 基本的な編集:編集(カット編集、テロップ、BGM、効果音、色調補正)は通常この予算帯に含まれます。
  • ナレーション収録:プロのナレーターによるナレーションの収録も可能です。
  • 既存素材の活用:写真素材、動画素材で活用できるものがあると、撮影の量を抑えながら内容を厚くできます。
  • 用途に合わせた納品:SNS用の短尺切り出しや、別比率での書き出しなどは対応できる場合があります。ただし、範囲によっては追加費用になることもあるため、「どの形式を何本納品するか」は見積もり段階で確認してください。

できない(可能性が高い)こと

3拠点以上での撮影:営業所や工場など撮影場所が増えると、移動時間と人件費が増加します。100万円前後では厳しくなりやすく、3拠点以上を前提にする場合は150万円以上を目安(条件により変動)に考えるのが現実的です。

演出重視のドラマ構成:脚本を作り、シーンごとに演出を組み立てる動画(密着・ドラマ化など)は、撮影と編集の工数が大きく増えます。100万円で無理にやると、どこかが薄くなりやすいので注意が必要です。

大量のCG・高度なアニメーション:3D表現や複雑なモーショングラフィックスは、専門スタッフと制作期間が必要です。簡単なテキストアニメーション程度なら可能な場合もありますが、要求水準が上がるほど別予算を見込む必要があります。

著作権フリー以外の素材使用:有名楽曲や高額なプレミアム素材の使用には追加ライセンス費が発生します。100万円前後では基本的に著作権フリー素材で構成します。

無制限の修正対応:修正回数には上限があることが一般的です。とくに「構成の大幅変更」「追加撮影が必要な修正」は、別費用になりやすいポイントです。修正の定義(文言修正と構成変更の違い)も含めて確認してください。

配信・運用サポート:配信設定、SEO観点での動画運用、視聴データ分析などは、制作とは別メニューとして扱われることがあります。必要であれば範囲を明確にしましょう。

100万円で失敗しないための制作ポイント

目的を1〜2つに絞る

「採用にも営業にも広報にも使える」と1本に詰め込むほど、メッセージが散らばります。100万円前後で成果を狙うなら、まず目的を1〜2つに絞り、誰に何を伝える動画なのかを明確にすることが重要です。

一方で「汎用性が高いもの」というのも「あり」です。目的や活用方法を絞るあるいは、「どこでも無難に使える」ものを目指すかどちらかを選ぶようにしましょう。

伝えるメッセージは3〜5個までに整理する

3〜10分の動画では、情報量を増やしすぎると尺の中で伝えきることが難しくなります。。伝えたいことを整理し、重要度の高いメッセージから構成することで、短い尺でも「わかった感」が残る動画になります。

撮影前の準備で勝負が決まる

この予算帯では、撮影当日に迷う時間が増えるほどコストがかさみます。事前準備をしっかり行うことで、素材の質と量が安定し、手戻りも減らせます。

  • インタビュー対象者:候補者を決め、話してもらうテーマを事前に整理する
  • 撮影場所:どこで何を撮るか(光・音の環境も含めて)想定しておく
  • 既存素材:写真や資料、画面キャプチャなどを事前にまとめる
  • 社内調整:確認者と確認タイミング(修正回数)を先に決める

発注前チェックリスト

見積もり依頼や打ち合わせの前に、最低限ここまで整理できていると、提案の精度が上がり、不要な手戻りを減らせます。

  • 目的:採用/営業/広報のうち、最優先はどれか(1つに決める) or 汎用的なものにする
  • ターゲット:誰に見せるか(新卒/中途/見込み顧客/取引先など)
  • 伝えたいこと:3〜5個の箇条書きにできるか
  • 登場人物:インタビュー候補者を2〜4名挙げられるか
  • 撮影条件:撮影は1拠点で成立するか(難しいなら予算増も検討)
  • 参考動画:方向性が近い動画を2本用意できるか
  • 社内確認:最終決裁者と確認フロー(誰が何回見るか)が決まっているか

会社紹介動画100万円の費用内訳イメージ

以下は一般的な費用内訳の目安です。「100万円」と言っても、税別/諸経費の扱い/ナレーションの有無/撮影日数などで金額が前後し、結果として95〜135万円程度に広がるケースがあります。まずは全体像をつかむための参考としてご覧ください。

項目費用(目安)内容
企画・構成15〜20万円全体構成の設計、台本・質問設計、ビジュアル案の整理
撮影費20〜40万円カメラマン、音声スタッフ、撮影機材、1〜2日の撮影
編集・グレーディング25〜35万円映像編集、色調補正、テロップ、BGM・効果音の調整
ナレーション・音声5〜15万円ナレーション収録、音声編集(必要に応じて)
ディレクション・進行管理15〜20万円全体の進行管理、品質管理、修正対応
その他(字幕、簡易翻訳など)0〜10万円字幕作成、簡易翻訳(必要に応じて)
合計95〜135万円※税別。条件により変動します。

※企画の複雑さ、撮影規模、修正回数によって変動します。詳細は制作会社に見積もりを依頼してください。

100万円の会社紹介動画が向いている企業・向いていない企業

100万円の動画が向いている企業

  • 目的を絞れる:採用・営業・広報のうち、優先目的が明確/汎用性が高いもの
  • 撮影を2拠点以内に集約できる:本社中心で素材が揃う
  • インタビューで語れる強みがある:人・文化・仕事の進め方を言語化できる
  • 社内調整ができる:撮影日程と確認フローを確保できる
  • 派手な演出より、わかりやすさ重視:情報整理を優先したい

100万円の動画が向いていない企業

  • 3拠点以上の撮影が必須:営業所・工場などを複数回る必要がある
  • 演出で差別化したい:ドラマ構成やシーン演出を重視したい
  • 高度なCGやアニメーションが必要:説明の中心を映像表現に置きたい
  • 修正が増えがち:関係者が多く、意思決定が遅い・ぶれやすい

50万円・100万円・150万円の会社紹介動画の違い

予算によって、撮影規模と表現の自由度がどう変わるかを整理します。

予算動画尺撮影規模構成編集・演出
50万円2〜3分半日撮影、1拠点インタビュー1〜2名、最低限の情報整理基本編集のみ、演出は最小限
100万円3〜10分1〜2日撮影、1拠点インタビュー3〜4名+職場風景、情報が厚くなる標準編集、簡単なアニメーション対応
150万円5〜20分2〜3日撮影、複数拠点も検討可登場人物やロケーションが増え、構成の自由度が上がるモーショングラフィックス等、表現の幅が広がる

※上記は一般的な目安です。制作会社や企画内容により異なります。

100万円が「十分に使える動画」になりやすい理由:50万円だと撮影と編集の余裕が少なく、企業の魅力を多面的に見せづらいことがあります。一方で150万円以上になると、複数拠点や表現の自由度が上がり、設計の幅が広がります。100万円はその中間として、必要な情報量と品質を両立しやすい予算帯です。

見積もりで確認すべき項目(トラブルを防ぐポイント)

「同じ100万円でも条件が違った」というズレを防ぐため、見積もり段階で以下を確認しておくと安心です。

  • 修正の定義:文言修正と構成変更が同じ扱いになっていないか
  • 修正回数と範囲:何回まで、どこまでが含まれるか
  • BGMライセンス:使用素材の条件と追加費用の有無
  • 字幕:日本語字幕の有無(必要ならどの範囲まで)
  • 納品形式:mp4の他に、書き出しサイズ・比率の指定が可能か
  • 二次利用:SNS/営業資料/展示会など、用途制限がないか
  • 追加費用条件:撮影延長、追加撮影、素材追加が発生した場合の扱い

会社紹介動画100万円のよくある質問

100万円で何分くらいの動画が作れますか?

目安は3〜10分です。採用向けなら3〜5分、営業向けなら2〜3分、汎用性が高いものは5〜10分が選ばれやすい傾向があります。

撮影は何日必要ですか?

本社1拠点であれば1日が目安です。複数拠点を回る場合は、2~3日以上を想定してください。

修正は何回まで可能ですか?

一般的には2〜3回程度が基本です。ただし、修正の範囲(テロップ修正はOKでも構成変更は別費用など)は制作会社によって異なります。契約前に「修正の定義」と「回数」をセットで確認してください。

ナレーションは入れられますか?

入れられます。予算内で対応できる場合も多く、目安として5〜10万円程度でプロのナレーター手配を行うケースがあります。著名人の起用などは別途費用が必要です。

会社紹介動画100万円のメリット

採用への活用

採用説明会や採用ページ、SNSなどで活用できます。職場の雰囲気や社員の声を見せることで、応募前の不安を減らし、ミスマッチの抑制にもつながります。

営業への活用

提案時のプレゼンや営業資料に組み込むことで、企業の信頼性や提供価値を短時間で伝えやすくなります。顧客事例を入れると、説得力の補強にもなります。

コーポレートでの活用

企業サイトや取引先への説明、IR資料などにも活用できます。企業理念やビジョンを視覚的に伝えられるため、文章だけでは伝わりにくい印象を補強できます。

まとめ:100万円前後でも、設計次第で「使える会社紹介動画」は作れる

会社紹介動画を100万円前後で制作する場合、3〜10分、1〜2拠点で1〜2日撮影、ナレーションベースの構成であれば、採用・営業・広報の実務で十分に使える動画を設計しやすくなります。

一方で、複数拠点撮影や演出重視のドラマ構成、大量のCGなどは予算内で成立しにくくなります。まずは目的とターゲットを整理し、チェックリストを埋めたうえで見積もりを取ると、要望の整理と比較がしやすくなります。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役 / 動画制作プロデューサー】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。

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