新卒採用向けの密着動画を作る場合、どのくらいの予算が妥当なのか──。
本記事では、これまで多数の密着型採用動画を企画・制作してきた筆者が、経験をもとに費用の目安や金額差が生まれる要因、主な費用項目をわかりやすく整理します。実際の現場感覚も交えて解説しますので、見積もり検討や社内提案の参考にしていただけます。
新卒採用向け密着動画はいくらで作れる?

結論から言えば、新卒採用向けの密着動画はおおよそ60万円〜150万円程度で制作されるケースが多く見られます。
この記事では差分をわかりやすくするために、ミニマムな60万円のパターンと150万円のパターンで解説します。
60万円の場合の制作条件
ミニマムな制作費である60万円での制作の場合、どのような制作条件になるかを書き出してみました。
- 制作本数:1本
- 動画の長さ(尺):〜10分程度
- BGM:あり
- 撮影:1日
- スタッフ:ディレクター・カメラ・音声をワンオペで実施
- ロケハン(撮影場所の下見):無しの可能性が大きい
- インタビュアー:発注側の企業で担当
- ナレーション:無し
- 企画構成:あまり工数をかけられない
ミニマムな金額の場合、事前の企画構成に十分に注力することは難しいため、例えば「1日の仕事の流れ」を追うような「ある程度想定できる形」で構成する、あるいは1日密着して「撮影できたものありきで編集する」ことになります。
また、ナレーションで業務内容や背景などを説明することも難しいため、基本的には業務シーンとインタビューで構成することになります。
具体的な業務イメージを伝える動画であれば問題ありませんが、より深いやりがい・キャリアイメージなども含めて立体的にその職種について伝える動画にするためにはもう少し多めに予算を確保頂く必要があります。
例えば、下のような動画であれば制作できる可能性が高いです。
※下記の動画が60万円で制作されたということではありません。
¥150万円の場合の制作条件
では、制作費が150万円になると、どれくらい条件が変わるでしょうか。
- 制作本数:1本
- 動画の長さ(尺):〜10分程度
- BGM:あり
- 撮影:2日
- スタッフ:ディレクター・カメラ・音声を1-2名で担当
- ロケハン(撮影場所の下見):可能な場所はロケハンする
- インタビュアー:発注側の企業で担当orディレクターが担当
- ナレーション:有り ※ネット上で公開しない条件であれば、有名なナレーターのキャスティングも可能
- 企画構成:しっかり工数をとって、作成可能
150万円ほどの予算が確保できると、採用向けの密着動画としてはかなり完成度の高い仕上がりを期待できます。
ナレーションでしっかりと状況・背景などを説明することもできるため、構成としても柔軟性をもたせやすく、しっかりと時間をかけて制作会社と検討しながら制作できるため発注側のご担当者様としても納得感を持ちながら進行することができるでしょう。
また、ネット上では公開しないという条件であれば、ドキュメンタリー番組などでも活躍するような有名なナレーターを担当してもらえる可能性があります。実際に筆者は何度かとある有名ナレーターの方にナレーションをお願いさせていただいたことがありましたが、やはり学生さんの食いつきも全然変わると評判でした。
一方で、必然的に出演いただく関係者の数も増えるため、発注側のご担当者の方にとっては出演依頼・許諾などの手間がかかるという点は知っておいたほうが良いでしょう。
動画の仕上がりとしては、下記の動画をご参考ください。
※下記の動画が150万円で制作されたということではありません。
密着型動画の見積もりに含まれる内訳

ざっくりとした制作費や制作条件については、先ほど説明しました。では、細かい費目としてはどのような費目・費用になるでしょうか。
¥600,000の場合の費目と費用
制作会社や、制作内容によって変動するのはもちろんですが、例えば下記のような費目・費用になることが想定されます。
- 進行管理費:¥120,000
- 企画構成費:¥100,000
- ディレクション費:¥120,000
- 撮影費:¥80,000
- 編集費:¥150,000
- 車両費:¥20,000
- 制作雑費:¥10,000
なお、制作条件は先ほどと同様に下記とします。
- 制作本数:1本
- 動画の長さ(尺):〜10分程度
- BGM:あり
- 撮影:1日
- スタッフ:ディレクター・カメラ・音声をワンオペで実施
- ロケハン(撮影場所の下見):無しの可能性が大きい
- インタビュアー:発注側の企業で担当
- ナレーション:無し
- 企画構成:あまり工数をかけられない
¥1,500,000の場合の費目と費用
60万円の場合と比べると費目・費用ともに増えていることがわかります。
こちらもやはり制作内容に応じて変動しますが、60万円の場合と比べるとできることが増え、また制作現場で多少のイレギュラーが発生しても、柔軟に対応してクオリティを担保することも可能になります。
- 進行管理費:¥250,000
- 企画構成費:¥250,000
- ディレクション費:¥250,000
- 撮影費:¥250,000
- 編集費:¥200,000
- ナレーター費:¥100,000
- ナレーションスタジオ費:¥100,000
- 車両費:¥40,000
- 制作雑費:¥20,000
- ロケハン費:¥40,000
なお、制作条件は先ほどと同様に下記とします。
- 制作本数:1本
- 動画の長さ(尺):〜10分程度
- BGM:あり
- 撮影:2日
- スタッフ:ディレクター・カメラ・音声を1-2名で担当
- ロケハン(撮影場所の下見):可能な場所はロケハンする
- インタビュアー:発注側の企業で担当orディレクターが担当
- ナレーション:有り ※ネット上で公開しない条件であれば、有名なナレーターのキャスティングも可能
- 企画構成:しっかり工数をとって、作成可能
費用を抑えながら、クオリティを担保するためには?
密着動画は、企画構成や長時間の撮影など工数がかかる一方で、
- 制作に携わるスタッフは比較的少数
- 密着というスタイルなので、ミニマムな機材での撮影が前提
など、他のスタイルの動画とは異なり、わかりやすく費用を削ることが難しい動画です。
それでも、限られた採用予算の中でできるだけ良い動画を制作したいと考えられる担当者の方も多いと思います。
筆者がこれまで多くの採用向けの密着動画の制作に携わった経験をもとにお伝えできることとしては、
- 大まかなストーリーライン(構成の概要)は発注側で用意する
- ナレーターは比較的キャリアの浅い新人をキャスティングする
- 自身で進行管理が可能であれば、フリーランスクリエイターに直接発注する
などがあります。
特にフリーランスクリエイターに直接発注することができれば、制作会社に依頼する金額よりもかなり割安で発注が可能です。ただし、クリエイターの見極めや、クリエイターとのコミュニケーション、進行管理などが発注側のタスクになるため、動画制作に慣れていない人にはおすすめできません。
よくあるQ&A
- 密着動画の制作費は?
-
制作する内容によって変動しますが、¥600,000〜¥1,500,000の幅で制作されることが多いです。
- 密着動画のメリットは?
-
1.該当する職種の1日の仕事の流れや、詳しい業務内容を具体的な業務シーンとともに伝えることができる
2.業務の厳しい側面や、やりがいなどを説得力をもって伝えることができる
3.上司やお客様など、業務に関わる関係者の声を聞くことができる
- 密着動画の制作期間は?
-
取材対象者や、インタビュー内容が決まっていれば、1.5ヶ月程度でも制作可能ですが、通常は2ヶ月程度を見込むことが多いです。
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新卒採用向けの密着動画の中で、比較的新しい事例をもとにそれぞれの動画の構成や狙いなどを解説しています。

最後に
動画の制作費は慣れていない方にとっては、見えない部分が多く「本当に妥当な金額なのか?」というのは気になるところですよね。
最終的には相見積もりをして、比較することも大事ですがまずはこちらの記事を参考にしていただき、ざっくりとでも制作費について掴んでいただけると幸いです。
もし、採用動画の制作を検討されているようでしたら、ぜひ弊社へお問い合わせください。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
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