導入事例動画(顧客事例動画)の作り方|構成テンプレ・進行・再利用設計まで【4〜6週間】

BtoBにおけるリード獲得や、比較検討期間における王道のコンテンツである導入事例動画(顧客事例動画)。

しかし、いざ制作しようと考えると、「どの切り口で語ってもらえばよいか決められない」「顧客のスケジュールが合わず撮影が進まない」「営業やWebで使い回せる形にしたい」など、担当者の悩みは尽きません。本記事は動画制作会社の視点で、担当者の悩みを解決し、構成テンプレ・制作プロセス・配信と再利用の型までを実務的に整理します。

目次

結論ショートQA(まずここだけ)

最適な尺は?

本編2〜5分+短尺30〜60秒のセットを推奨します(短尺=SNS/広告/営業冒頭での導入用)。

制作期間は?

標準4〜6週間。条件(承認SLA48時間、出演者確定、屋内撮影中心など)が整えば最短2〜3週間も可能です。

予算の目安は?

目安50〜100万円。撮影日数・拠点数・字幕/多言語・モーショングラフィックスの有無で上下します。

顧客への依頼はどう進める?

事前に質問票(事前アンケート)と当日の流れを共有します。秘匿情報の扱いは差替えルールを合意しておくと安全です。

導入事例動画の価値(コーポレート視点)

導入事例動画は、比較的その用途や効果を期待しやすい動画ではありますが、それでも「費用対効果」や「本当に効果があるのか?」などは気になるポイントです。しかし、動画の効果を厳密に測定することが難しいというのも事実です。

そこで、弊社がよくお伝えしているのは、「効果が期待できるシーンの多様さ」「活用シーンの多さ」です。様々なシーンで活用できれば、その分動画が効果を発揮する場面も多くなり、費用対効果が「ありそうだ」という判断につながりやすくなります。具体的には下記のような活用が想定できます。

  • 信頼の獲得:第三者(顧客)の語りは自社発信より説得力が高く、商談初回でも障壁を下げられます。
  • 合意形成の短縮:現場/管理職/役員に同じ動画を見せられるため、社内稟議のスピード向上が期待できます。
  • 資産化:Web、展示会、営業資料、広告、SNSへ多用途に再利用できます。

構成テンプレ(3ブロックで迷わない)

顧客の発話量や現場素材に応じて、以下3ブロックで設計するのが王道です。編集時に順序を微調整しても破綻しにくい構造です。

ブロック内容撮れ高の要点
① 背景・課題導入前の課題・理想・制約(数値/頻度/工数を含める)「月◯時間」「誤登録率◯%」など定量化
② 選定理由・活用比較軸、決め手、実装プロセス、現場での使い方選ばなかった選択肢と理由も一言
③ 効果・変化導入後の改善、波及効果、今後の展望「◯%削減」「◯件/週に増加」など成果指標
※数値が不足する場合は「体験」「再現映像(Bロール)」で補強します。

また、上記以外に「導入時につまづいたポイント」「想定外に手間や時間がかかったポイント」などを敢えて動画の中で語ってもらうという方法もあります。これは視聴者に有益な情報として伝えるとともに、自社プロダクト・サービスにとってはもしかするとネガティブに働くかもしれない情報を盛り込むことで、動画自体の信憑性・信頼性の向上を狙いたいお客様に弊社からよくご提案している項目です。

よくある“つまずき”と対策(先回りで防ぐ)

導入事例動画はよくもわるくも、コンテンツの中身は「顧客」次第です。

インタビューの内容
撮影できる場所

などは、顧客が持っている情報や顧客のオフィス次第になるため、事前の確認や準備を徹底する必要があります。下記に特につまづきやすいポイントを列挙したので、制作を検討されている方はぜひご参考ください。

  • 抽象的な発話:質問票に「数値/比較/具体例」の3系統で問いを用意(例:導入前後の工数/比較検討先/現場での具体シーン)。事前インタビューを実施することで顧客側にも回答内容をより具体的にイメージしてもらう。
  • 開示NGの情報:事前に差替え語彙(社名→業界名、金額→レンジ)を決め、テロップで補足。
  • 撮影環境の課題:会議室の奥行き2m以上・逆光回避・エアコン騒音・両隣部屋の声が聞こえないかチェックを事前確認。
  • 承認停滞:SLA48時間・承認者2名以内・修正2回までを合意。
  • 字幕の負荷:全編字幕の必要正の確認。まずは要点テロップ+全文台本DLの組み合わせを検討。

制作プロセスとWBS(標準4〜6週間)

短納期で制作を進行しようとするとどうしても、一部の制作プロセスに負荷がかかり、トラブルにつながりやすくなります。短納期での制作を希望される場合には特に自社内での確認フローなどを事前に明確にし、できるだけ短い時間で制作会社にフィードバック・意思決定が伝えられるように準備をしておきましょう。

工程標準短納期要点
W1:企画・要件定義3〜5営業日2〜3営業日目的/KPI/構成案、質問票作成、差替えルール合意
W2:アポ・準備3〜5営業日2〜3営業日顧客日程確定、ロケハン、同意書/許可申請
W3:撮影1日(状況により2日)1日インタビュー+Bロール(現場/画面)
W4:編集・初稿4〜6営業日3〜4営業日要点テロップ/簡易モーション/整音
W5:修正・仕上げ3〜4営業日2営業日修正2回、MA(音響仕上げ)
※スケジュールは目安です。出演者の都合・承認プロセスで前後します。

配信と再利用の型(営業/マーケで活かす)

制作して終わりにせず、チャネルに合わせて再編集します。特にSNSや広告での利用は具体的な数値としての結果も得られるため、次回以降の制作にも役立てることができます。

チャネルフォーマットリパーパス例
Web(LP/ブログ)本編2〜4分埋め込み文字起こし→記事化、台本PDF配布
営業(資料/メール)30〜60秒短尺提案書の冒頭、ABテスト用の差し替え
SNS/広告1:1/9:16、15〜30秒冒頭に課題テロップ→成果数値→CTA
展示会/セミナーループ再生(無音対応)要点字幕・アイコン多用、3スライド版も用意

KPIサンプル(指標の持ち方)

フェーズ主要KPI目安
サイト内動画完了率、LP滞在、資料DL率完了率20〜35%、滞在+30〜60秒
営業初回商談化率、提案合意率+3〜8ptの改善
広告/SNSCTR、視聴3秒/25%到達率CTR1.0〜2.5%、到達率25〜40%
※上記は参考値です。業界/価格帯/媒体で大きく変動します。

発注前チェックリスト(10項目)

すべてを事前に用意しておく必要はありませんが、事前に準備できているとスムーズな制作進行が可能になります。また、一部制作会社側の工数の削減にもつながるため、見積りの金額を抑えることも可能です。可能な範囲でご確認・ご用意してみてください。

  • 目的とKPI:成果指標は何か(商談化/資料DL/再来訪)。
  • ターゲット:誰に見せるのか(役職/業種/決裁関与)。
  • ストーリー:課題→選定→効果の3ブロックで書けるか。
  • 質問票:数値/比較/具体例の質問が用意できているか。
  • 出演者:顧客企業の許諾者と登場人物を確定。
  • 撮影条件:屋内確保/逆光回避/奥行き1.5m以上。
  • 承認フロー:承認者2名・SLA48時間・修正2回。
  • 字幕/多言語:範囲と表記ルールを合意。
  • 二次利用:媒体/期間/地域のライセンス範囲。
  • 再利用計画:短尺化・記事化・広告展開の有無。

caseの標準制作体制

弊社で導入事例インタビュー動画を制作する際の標準的な体制です。もちろん、撮影環境やご要望に応じて調整し、場合によってはよりライトな体制になることもあれば、スタッフや機材を増強してより本格的な撮影を行うこともあります。

  • 撮影体制:ディレクター1、カメラ2、音声1を基本とし、現場規模に応じて増員。
  • 品質ゲート:初稿→社内レビュー→最終稿の三段階で品質管理。
  • 権利と利用:納品した動画の利用については制限なし。

caseの導入事例動画制作実績

コクヨ株式会社 様 | 顧客インタビュー動画

株式会社COEL様 | クラウドサービス導入事例動画

ティーピーリンクジャパン株式会社 様 | ネットワーク機器導入事例インタビュー動画

まとめ:構成テンプレとSLAで、4〜6週間でも成果に直結

導入事例動画は汎用性が高く、効果を見込みやすい動画です。一方でどこまで具体的な効果測定が可能であるかは「どのように活用するか」によって変動するため、社内で説明が必要な際には、「汎用性の高さ」をアピールし「効果がありそう」だと感じてもらうことも1つの方法です。

また、動画の構成については課題→選定→効果の3ブロックで設計し、SLAと再利用計画を事前に準備することで、短期間でもスムーズに制作が可能です。

導入事例動画の制作をご検討の際にはぜひ当社へご相談ください。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役 / 動画制作プロデューサー】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。

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