動画制作「100万円」でどこまで?相場・仕様・納期【決定版】

動画制作を検討しているけれど、どれくらいの費用が必要なのかわからない。とりあえず100万円くらいでどんなことができるかをしりたい…というのは企業のご担当者からの質問やお問い合わせでよく耳にします。100万円という予算は動画制作においては少ない予算ではありませんが、「潤沢」というには少し心もとないとも言えます。本記事では、100万円の予算で実現できる動画制作の現実解を、具体的な仕様、納期、費用内訳、権利関係まで踏み込んで解説します。

目次

結論ショートQA:動画制作100万円で「できること」と「できないこと」

100万円の基本パッケージには何が含まれますか?

1例ですが撮影1〜2日(2カメ、出演者分のピンマイク)、要点テロップ、BGM、簡易的な色調整、修正2回、本編1本とサムネイル1点の納品などは含まれる可能性が高いです。

標準納期と最短納期はどのくらいですか?

標準納期は6-8週間が目安です。発注者側の確認・フィードバックを48時間以内に行うなどの条件を整備することで、最短3-4週間での納品も可能です。

追加費用が発生するのはどのようなケースですか?

3DCGや高度なモーショングラフィックス、縦型動画の追加、全編字幕、英語字幕、外部MCの手配、遠方への出張などは追加費用が発生します。

100万円の基本パッケージ早見表:「含む/含まない」の境界線

項目標準仕様(100万円に含むオプション(100万円に含まない
撮影1〜2日拘束、2カメ構成、出演者分のピンマイク3カメ以上、ドローン撮影、スタジオ撮影
編集要点テロップ、BGM、簡易的な色調整(カラーコレクション)3DCG、高度なモーショングラフィックス
納品物本編1本(mp4形式)、サムネイル1点縦型(9:16)/正方形(1:1)出力、全編字幕、英語字幕
権利・ライセンス契約範囲内での二次利用(媒体・期間を明記)契約範囲外の利用、編集データの譲渡
進行管理修正2回まで、定例ミーティング3回目以降の修正、コンサルティング
その他企画構成、ディレクション外部MC・タレントのアサイン、遠方出張費
※金額は税別、期間・効果は目安です。契約内容によって条件は変動します。

100万円で実現する3つの動画制作パターン

パターンA:会社紹介・事業紹介動画

企業の理念や事業内容、強みを伝えるための基本的な動画です。Webサイトや会社説明会など、幅広い用途で活用できます。

向き/不向きBtoB企業の信頼性獲得、採用候補者への魅力訴求/株主総会など、オフィシャルなシーン
想定尺90〜180秒
体制ディレクター、カメラマン2名、音声1名
納期6週間
失敗例情報過多でメッセージが分散し、視聴者の印象に残らない。

パターンB:採用座談会・社員インタビュー動画

現場のリアルな声を通じて、社風や働きがいを伝える動画です。採用候補者の共感を呼び、入社意欲を高める効果が期待できます。

向き/不向き採用候補者の企業理解促進、カルチャーフィットの見極め/認知拡大や業務理解
想定尺5〜10分
体制ディレクター、カメラマン2名、音声1名
納期6週間
失敗例進行が単調で、出演者の本音や魅力が引き出せていない。

パターンC:導入事例・お客様の声動画

製品・サービスを導入した顧客の成功体験を語ってもらうことで、信頼性と説得力を高めます。商談やWebサイトでのコンバージョン促進に直結します。

向き/不向き見込み顧客の導入後イメージ醸成、営業ツールとしての活用/認知拡大、サービス理解促進
想定尺2〜5分
体制ディレクター、カメラマン2名、音声1名
納期6週間
失敗例顧客への依頼内容が不明確で、当たり障りのないコメントに終始してしまう。

納期と進行:標準6週 vs 最短3週のWBS比較

短納期でかつ納得のいくクオリティの動画制作を実現するためには、発注者側の協力が不可欠です。特に、フィードバックの速度とそれにともなう承認プロセスの簡略化は欠かせません。事前に「確認が必要なタイミングや事項」について確認し、社内調整を行っておきましょう。

工程標準(6週間)最短(3週間)短縮のポイント
W1:キックオフ・企画構成5営業日3営業日RFP(提案依頼書)の事前準備
W2:絵コンテ・撮影準備5営業日3営業日撮影場所・出演者の早期確定
W3:撮影1〜2営業日1営業日撮影内容を1日に集約
W4:編集(初稿)7営業日4営業日並行編集、レビューSLAの設定
W5:修正・フィードバック5営業日2営業日承認者を2名以内に絞る、48時間以内のレビュー
W6:MA・納品5営業日2営業日修正内容の即時反映
※SLA(Service Level Agreement):サービス品質保証。ここではレビューの応答期限を指します。

発注前に確認すべきチェックリスト10項目

  • 出演者と役割:誰が、どの役割で出演するか確定していますか?
  • 完成尺:目標とする動画の長さは決まっていますか?
  • 配信先:Webサイト、SNS、展示会など、どこで公開しますか?
  • 縦型動画の要否:スマートフォン向けの縦型動画は必要ですか?
  • 撮影場所:撮影場所の確保(奥行き1.5m以上、逆光を避ける)は可能ですか?
  • 字幕の範囲:全編字幕か、要点のみのテロップか決まっていますか?
  • 二次利用の範囲と期間:他の媒体や長期間利用する可能性はありますか?
  • 希望納期:公開日から逆算した現実的な納期ですか?
  • 承認者とレビュー期限:承認者は誰で、レビューに要する期間(48時間以内が理想)は明確ですか?
  • 各種ライセンスの確認:出演同意書、BGMやフォントの商用ライセンスは確認済みですか?

まとめ:動画制作100万円で費用対効果を最大化する

100万円という予算でも、ポイントを押さえれば高品質な動画制作は十分に可能です。「含む/含まない」の仕様を明確にし、制作会社との間で進行ルールを共有することでスムーズな動画制作が実現できるはずです。本記事のチェックリストやWBSを活用し、計画的な動画制作を実現してください。

情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

【株式会社case 代表取締役 / 動画制作プロデューサー】
新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。現在は本メディアの運営を通じた企業の動画制作支援や、動画制作会社の営業支援などを行う。

目次