インタビュー動画は、企業やサービスのリアルな声を伝えるための効果的なツールです。顧客の成功事例、従業員の声、経営者のビジョンなどを視覚的に届けることで、信頼感を高めることができるのが最大のポイントです。文章や画像だけでは伝えきれない雰囲気を動画で共有することで、説得力が格段に増します。
近年は企業の採用活動やマーケティング活動において、インタビュー動画が積極的に活用されており、「導入後の成果をわかりやすく示したい」「応募者に会社の雰囲気を伝えたい」といったニーズが増えています。
しかし、「初めて動画を制作するけれど、どこに依頼すればよいかわからない」「予算やスケジュール感が掴めない」「以前制作した動画があまり効果的でなかった」など、不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
本記事ではインタビュー動画制作を成功させるための手順、制作会社の選び方、そして予算別の事例をわかりやすく解説します。ぜひ、この記事を参考にして、貴社に最適なインタビュー動画を制作・活用してください。
筆者のプロフィール
まず、この記事を読んでいただくにあたって「誰が何を書いているのか?」も非常に重要な要素になると思いますので、簡単に私のプロフィールをまとめています。

新卒で入社した動画制作会社で広告・マーケティング・採用・人材研修など約400本の動画制作に携わる。
その後、TVCMなどの制作を行う、大手制作会社にアカウントエグゼクティブとしてジョイン。
数千万円規模のプロモーション案件に携わり、動画にとどまらないクリエイティブ制作やプロジェクトマネジメントを経験。
2023年に株式会社caseを創業
動画制作会社(予算数十万円〜数百万円)での営業兼プロデューサーとしての役割を中心に、広告代理店(予算数百万円〜数千万円)でのアカウント(クライアントと社内クリエイティブチームの窓口、PM業務を担当する役割
なども経験しているため、比較的高い説得力で本記事をお届けできるのではないかと考えています。
インタビュー動画を活用するメリット
インタビュー動画は、比較的シンプルな撮影・編集工程で制作可能なため、他の動画と比べて制作費を抑えやすいという特徴があります。その一方で、顧客や従業員、経営者の「生の声」を伝えることで、視聴者に信頼感を与える効果が期待できるため、多くの企業が活用しています。ここでは、インタビュー動画を活用する具体的なメリットを3つに分けて紹介します。
大きくは下記の3つです。
- 比較的安価な制作費
- 高い汎用性
- 高い説得力と信頼感の醸成
1つずつ解説します。
1. 比較的安価な制作費
インタビュー動画は、特別なセットや高価なCGなどを必要とせず、カメラとマイクさえあれば撮影できること、また編集も比較的シンプルであることから制作費を抑えての制作も可能です。
一方で、「話す人とその内容」がメインコンテンツであることから、「話してほしいことを話してもらう」「自然にその人の言葉で話してもらう」ためにはしっかりと準備をする必要があります。クオリティと費用が比例するというのは他の動画と同様であるため、その点には注意が必要です。
2. 高い汎用性
インタビュー動画は、「語り口」を変えることで様々な用途で活用できる動画になります。経営者の方がインタビューに応える動画であれば、
• 株主向け(経営方針の説明)
• 従業員向け(ビジョンの共有)
• 求職者向け(企業文化の訴求)
• 顧客向け(信頼感の醸成)
など、1度の撮影で複数パターン撮影することも可能です。
また、採用向けの従業員のインタビュー動画の場合、新卒採用向けの説明会で使うこともできれば、中途採用向けに求職者へ送るメールに添付するなどの活用も可能です。Youtubeなどの配信サービスが安価に活用できること、また、データ容量もそこまで大きくないため気軽に様々な場所で活用することが可能です。
3. 高い説得力と信頼感の醸成
インタビュー動画の最大の特長は「その人本人の口から語られる」ことによる説得力・信頼感だと言えます。テキストや画像などの静的なコンテンツでもインタビュー記事などはありますが、説得力・信頼感という意味では動画の方が圧倒的に高いです。
一方で、「高い説得力・信頼感」を醸成するためには「その人が自分の言葉で自然に語っている」ことが重要で、その語りを引き出すためには周到な準備が必要です。次の章ではインタビュー動画の制作のポイントを解説します。
インタビュー動画の制作のポイント
インタビュー動画の制作において、特に気をつけなければならないのは下記の6点です。
- 目的を明確にする
- 役割を明確にする
- ターゲットを明確にする
- 明確なコール・トゥ・アクションを設定する
- 事前インタビューの実施
- 詳細なインタビューシートを用意する
具体的にどのようなポイントを抑えるべきか、1つずつ解説します。
目的を明確にする
すごく当たり前のことなのですが、意外と見落とされがちです。
「なんとなくカッコいい動画」「とりあえずサービスの内容を理解してもらえるような動画」とかだと、あまり意味のない動画が出来上がってしまいます。本当にもったいないです。
ちなみに、ここでいう「目的」は「LPの滞在時間を伸ばす」とか「CVを上げる」とかだと動画クリエイティブに落とし込むには少し抽象的です。
しっかりと役割を果たすことが期待できる動画を制作するためには、上記の「目的」に2〜3回ほど「WHY」をぶつけてみて下さい。
- なぜ滞在時間が短いのか?→欲しい情報がない?誤った流入のさせ方をしている?
- CVがあがらないのか?→そもそも今が上限?最後の一押しができてない?
という感じで、ある程度のところまで深ぼったり要素分解しながら「動画の目的」を明確にしましょう。
役割を明確にする
このポイントは先ほどの目的よりも見落とされがちです。目的が定まればそのための動画制作!となりそうですが、それでは上手くいきません。動画は魔法のツールではないので、動画を制作・活用しただけで目的が達成されるということはありません。
先ほどの通り、目的が「LPの滞在時間を伸ばす」だとして、そのために動画はどのような役割を果たすべきなのか。
- 「LPで伝えている情報を補足する」ことで理解を促すのか
- LPの内容を「ファーストビューでハイライト的に伝える」ことで以降の内容に興味を持ってもらうのか
- 「ユーザーの声を説得力高く伝える」ことで信頼してもらうのか
…など、「LPの滞在時間を伸ばす」ことを目的だとしてもできることはたくさんあります。
つまり、動画制作の目的はもちろん、動画の役割まで決めることで、初めて「どのような動画を制作するべきなのか」が決まると言えます。
ターゲットを明確にする
すごくすごく当たり前のことですが、これも見落とされがち…というか動画を制作するにあたっては少し解像度が荒い状態であることが多いです。
例えば、LPのターゲットは「パーソナルトレーニングに興味のある20−40代の男女」だとして、動画のターゲットもそのままでよいのか?もう少し絞ったほうがいいのか?あるいは、広げたほうがいいのか?という部分を検討しきれていないケースがあります。
- ターゲットは「パーソナルトレーニングに興味のある20−40代の男女」
- 動画を制作するのは、〇〇〇〇という目的で、動画には〇〇〇〇という役割を担わせたい。
- そうすると、動画のターゲットは「パーソナルトレーニングに興味のある20−40代の男女」かつ「どちらかというと、〇〇〇〇タイプ」というように絞り込まれるのか「運動経験のない人も含める」というように少し広げるのか。
…という感じです。
明確なコール・トゥ・アクションを設定する
「行動喚起」と訳され、デジタルマーケティングの世界ではユーザーに「次に起こしてほしい行動」を誘導することを指します。
つまり、動画を視聴したあとの行動としてどのような行動を期待するのか、そしてそのためにどのような気持ち・感情になって貰う必要があるのかを明確にしましょう、ということです。
当然ですが、やはりこの点についても目的との紐づきがあり、目的の解像度が低いとターゲットやコール・トゥ・アクションも同じように解像度が低い可能性が高いです。
もし、動画制作を具体的に検討しているようでしたら、まずはこれらのポイントを整理することから始めてみましょう。
事前インタビューの実施
撮影時にどんな話を聞くことができそうか、事前に確認するために「事前インタビュー」を行いましょう。これは制作側がある程度インタビューで聞ける内容を把握する意味もありますが、話す方にもその準備をしてもらうという意味が大きいです。
カメラの前で自然に話すというのは思ったよりも難しく、緊張してしまいます。そのため、撮影時に少しでもリラックスして話せるように準備しすぎない程度の準備として、事前にインタビューを実施しておくことを強くおすすめしています。
詳細なインタビューシートを用意する
インタビューシートというのは、単純に聞きたい項目を並べただけのものではなく、聞きたい項目にたいして、答えてほしい内容まで細かく書いたものです。ある程度妄想でも問題ないので、「どんなことを話してほしいか」を一言一句もらさずに記載するようにしましょう。
注意していただきたいのは、このインタビューシートはインタビュイー(インタビューを受ける人)に見せるものではなく、あくまでもインタビューする側・制作側が「どんなことを話してほしいか」を把握した上でインタビュー撮影に臨むためのものです。
インタビューはナマモノなので、現場で質問しながら「話してほしいこと、それに類することが撮影できたか」をチェックしながらスムーズに撮影を進める必要があります。
インタビュー動画の制作ステップ
インタビュー動画を制作するステップは大きく下記の4ステップです。
- 制作会社への問い合わせ/商談
- 提案・見積りをもらう/発注企業の選定
- 制作スタート〜納品
1つずつ解説します。
①制作会社への問い合わせ/商談
制作会社への問い合わせを行う際には「動画制作会社」「動画 制作会社 おすすめ」などで検索することが多いのですが、数多くの制作会社がヒットしてどのように選べばいいか迷ってしまうこともあるでしょう。その際にはぜひ下記の記事を参考にしてみてください。弊社メディアで公開している記事ですが、ご参考頂けるはずです。

また、問い合わせたあとの商談ですが、おそらくどの制作会社も自社の特徴や強みを紹介されるかと思いますが、下記のポイントを抑えておきましょう。
- どの制作会社も実績は多い
- どの制作会社もあらゆるジャンルの動画が制作できる
- 「フリーランスクリエイターをネットワーク」している制作会社はたくさんある
上記を踏まえた上で、重要なのは「目の前の営業担当者」の実績や力量です。「この人は自分たちの会社のために力を尽くしてくれそうか」「魅力的な提案をしてくれそうか」という視点をもって商談に臨んでみてください。
②提案・見積りをもらう/発注企業の選定
複数の制作会社との打ち合わせが完了すると、各社から提案・見積りをもらうことになります。ここで重要なのは、①で整理した情報に基づいた提案をしてもらうことです。1番重要なのは「予算を明確に伝えておくこと」です。
仮に「決まった予算がない」「多少幅が生まれる」場合でも例えば「100−150万円の間で」と伝える形でOKです。ここで避けたいのは
- 200万円あればどこまでできるかを提案される
- 50万円であればどうなるかを提案される
…というイレギュラーな提案です。一見クライアントのためになるように見えますが、例えば3社からの提案で1社は100−150万で提案したけれど、1社は200万、1社は50万という提案の場合純粋な比較が難しくなり、選定のポイントとして「金額」でしか比較できなくなってしまいます。
このような事態を避けるために、「100−150万円の間でで提案してください。これ以上安くても高くても検討できません」と言い切ることを強くおすすめします。
また、それでも迷ってしまいそうであれば、
- 事前に評価方法を決めておき、ドライに採点して高い得点の会社に発注する
- 営業担当者との相性やコミュニケーションのスムーズさなどで決める
などの方法もおすすめです。特に動画制作は制作がスタートしてからが本番です。営業担当者とは制作期間中は頻繁にやり取りすることになるため、問題なくコミュニケーションがとれるかについてはしっかりと把握しておく必要があります
③制作スタート〜納品
正式な発注が完了すると、キックオフミーティングから制作がスタートします。細かく説明すると非常に長くなってしますため、本記事では簡易的に下記の画像での説明とします。

各ステップについて詳しく説明した記事もご紹介していますので、気になる方はこちらもご参考ください。

インタビュー動画の制作費用の目安と予算別の事例
インタビュー動画を制作する際に、一番気になるのは「いくら必要なのか?」ということでしょう。「動画はとても高い」というイメージをお持ちの方も非常に多いのですが実はWebサイトや紙のパンフレットと比較してものすごく高いということはなく、むしろ安く制作することも可能です。
あくまでも参考値ですが目安としては、
- 30−50万円:インタビュー動画を制作する上で最低限必要な予算
- 50−80万円:潤沢ではないが、情報量・見た目のクオリティを担保できる予算
- 100−150万円:情報量はもちろん、見た目でも違いを出せる予算
- 200万円〜:特殊な制作条件や3DCGの活用などにも対応可能な予算
このようなイメージを持って頂けると、おそらく他社との商談の際にも大きく予算感が乖離することはないでしょう。
具体的に予算別の事例を見ていきます。
※1 あくまでも弊社であれば…という事例になりますので、ご留意ください。
30-50万円
30万円というのは、制作会社に依頼する際のミニマムな金額にかなり近いと言えます。そのため、撮影体制としては
・ディレクター兼カメラマンのワンオペ体制orアシスタントが1人入るかどうか…
という体制が想定されます。また撮影機材についても特別なものを用意することは難しく、簡易的な照明や三脚以外のジンバルやローニンと呼ばれるような機材を用意してくれていいれば「良心的」だと言えるでしょう。
50-80万円
50−80万円ほどの予算があると、動画のクオリティを30万円のときよりもグッと上げることができる…とまでは行きませんが、例えば「音声スタッフを入れて、カメラマンには画に集中してもらう」「簡易的な照明を入れる」「安価なドローンを飛ばす」などの調整が可能になります。
100-150万円
100万円ほどの予算が用意できると、ある程度照明を入れて質感のある画を作ることができるようになります。また、編集時の「グレーディング」と呼ばれる色味の調整にも少し注力して「温かみのある画にする」「爽快感のある画にする」なども可能になります。
200万円以上
200万円以上の予算になると、格段にクオリティが上がります。一言でインタビュー動画と言っても、
・しっかりとロケハンを行って、1カットずつどこで何を撮影するかを緻密に決めている
・自然光を活かすこだわり
・ヒキの画、よりの画
・照明
・ヘアメイク、当日の衣装
など、100万円以下では実現が難しいことを、丁寧に準備して実現している様子が見て取れます。
動画制作の外注を失敗しないための、4つのポイント
ここでは失敗しないために重要な4つのポイントをご紹介します。
最適な制作会社を選ぶ
当たり前といえば当たり前ですが、やはり重要なポイントです。
ここでお伝えしたいのは、「信頼できる営業を選ぶ」ということです。
筆者が動画制作に携わり始めた10年ほど前とくらべると動画制作会社は格段に増えました。そしてどの会社も甲乙つけがたいほど豊富な制作実績を持っています。(弊社はまだ会社としての実績は少ないですが…)
その中で何をポイントに選ぶか?の1つのポイントが上記の「信頼できる営業担当者を選ぶ」という視点です。
詳しくは下記の記事にまとめていますが、端的にお伝えすると、

- 優秀な営業担当は、優秀なプロデューサー、優秀なクリエイターをアサインできる
- 優秀な営業担当は、無用なトラブルを避けてくれる
- 優秀な営業担当は、コミュニケーションがスムーズ
という3点です。「絶対この会社がいい!」と思える会社が見つからず悩むことがあればぜひ参考にしてみてください。
そしてもし悩むようであれば、ぜひ筆者にもご相談ください。
スケジュールに余裕を持つ

基本的なことではありますが、何らかの理由で急いで制作を進めなければならないケースもあります。そのような場合、
- 人的なリソースを確保するために通常スケジュールでの進行よりもお金がかかる
- 急ぐ分、準備・確認に通常より時間を割くことができず何らかのトラブルが起きる可能性が高くなる
…というリスクがあります。
会社によっては、短納期でも費用を抑えて制作してくれる会社もあるかもしれませんがそれでもスケジュールを短縮するということは、どこかでなにかを犠牲にせざるを得ません。
もちろん、通常スケジュールよりもトラブルが起きる可能性が高まるというだけで、「必ずトラブルになる」「失敗する」わけではありません。制作に慣れているプロが進行する以上、トラブルの種は極力排除し最大限問題なく進行できるよう尽力することは間違いありません。
ただ、それでも想定外のトラブルに見舞われることもあるのが動画をはじめ、クリエイティブ制作の現場です。
だからこそ、できる限りスケジュールには余裕を持つことを強くおすすめします。
完成イメージをできるだけ具体的にする
いざ、動画制作をスタートする際には制作会社側からどのような動画が完成する予定であるかは絵コンテやシナリオなどの資料を用いて説明があるはずです。
動画制作に慣れていれば、そのような資料で具体的なイメージを持つことができますが、初めての場合にはそれでもイメージが難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、遠慮なく制作会社側に質問してイメージの具体化に努めましょう。
制作過程で完成イメージの認識の相違などのズレが生じてしまうと、軌道修正には時間とコストがかかってしまいます。
社内調整を怠らない
発注側の企業の担当者の方の役割の1つが、自社内のステークホルダーとの共通認識の形成です。
- こんな目的でこんな動画を制作します。
- これが完成イメージです。
- いつころ完成良い体です。
- このタイミングでシナリオや動画を確認して、いつまでにフィードバックしなければなりません
…などなど、動画制作の背景や前提、クリエイティブイメージ、スケジュールなどについて関係者としっかりと「握る」ことができていないと、後になって「どんでん返し」が起きることは珍しいことではありません。
特に、動画制作について最終的なOKを出せる決裁権者とのすり合わせは重要です。
動画制作はcaseへご相談ください。
とても長くなりましたが、ここまでお読み頂きありがとうございます。
もし、この記事を読んで「いいな」と思えたらぜひ弊社へ動画制作についてご相談ください。
情報整理や予算の検討などの事前準備がご不安な方は筆者がお手伝いいたします。
是非、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。